非接触型決済とQRコード決済の
どちらを使うべき?支払い方法や機能の違いから比較解説

- キャッシュレス基礎知識
2021-03-31
- 非接触型決済はICチップを用いて、スマートフォンやカードをかざして支払う
- コード決済はQRコードやバーコードの提示、読み取りで支払う
- 非接触型決済はスピーディーな支払い、コード決済は個人間送金などの便利機能が特徴
目次
キャッシュレス決済のひとつに、非接触型決済やコード決済がありますが、2つの違いがわからない、違いはわかるがどちらを使えばいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
キャッシュレス化を推進する動きがあるなかで、このような知識はぜひ押さえておきたいです。
今回は、非接触型決済とコード決済の違い、それぞれの特徴について紹介します。
非接触型決済とコード決済の違いは?

非接触型決済と、コード決済にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの概要を確認したうえで、違いを見ていきましょう。
非接触型決済とは
非接触型決済とは、非接触ICチップを搭載したスマートフォンやカードを、お店の端末にかさずことで、瞬時に支払いが完了する決済方法です。近距離無線通信技術を用いて、お店の決済端末との間で電子化したお金の情報をやり取りします。
非接触型決済の例としては、QUICPay(クイックペイ)™ やiD、Suicaやnanaco、楽天Edy、WAONなどの電子マネーや、国際ブランドの非接触型決済があげられます。
コード決済とは
コード決済とは、QRコードやバーコードに紐付けられた支払い情報をスマートフォンなどの端末で読み取り、専用アプリを通じて支払う方法のことです。
具体的には、お店から提示されたコードを利用者が読み込むか、利用者がコードを提示してお店側が読み込む2通りの方法があります。
スマートフォンの普及によって急速に広がりつつある決済手段で、日本ではPayPayやLINE Payなどが該当します。
非接触型決済とコード決済の違い
どちらもキャッシュレス決済の支払い手段のひとつであり、スマートフォンで支払いができる点も似ていますが、支払いに用いるものが、非接触ICチップか、コードやQRコードかという点で大きく異なります。
この違いに伴って、特徴や使い方が異なりますので、その点について紹介します。
非接触型決済の特徴

まずは、非接触型決済の特徴を見ていきましょう。
支払いが簡単・スピーディー
非接触型決済の一番の特徴は、支払いスピードの速さです。スマートフォンやカードをかざすだけでいいので、すぐに支払いが完了します。
現金で支払うときのように財布から小銭を探したり、コード決済のときのようにアプリを起動してQRコードを読み込んだりする必要もありません。実際に、これらの支払い手段と比較して最もスピーディーに支払いができるという実験結果も公表されています。
(出典:決済速度に関する実証実験結果)
長い行列ができているとき、子供連れなどで両手がふさがっているとき、朝や昼休みなどの忙しい時間帯などでも、気軽かつ簡単に利用できる点が魅力です。
複数のカードや電子マネーを一括管理できる
とくにスマートフォンで非接触型決済を利用する場合、Apple Payや Google Pay™ (グーグルペイ)といったサービスにカードや電子マネーを設定することができますが、これらのサービスを用いると、複数のカードや電子マネーをひとつのアプリ内で管理できるようになります。
いつものカードがスマートフォンひとつで利用できるので、財布がカードであふれずに済むのはもちろん、コード決済のようにそれぞれの決済アプリをインストールする必要もありません。
スマートフォンで支払うときも、お店の人に利用する電子マネーの名前を告げれば、とくに切り替え作業などは必要なく、かざすだけで支払いをすることができます。
さまざまな支払い方式を選ぶことができる
コード決済の多くはプリペイド(前払い型)ですが、非接触型決済のうちQUICPayやiDはプリペイド以外にもポストペイ(後払い型)やデビット(即時払い型)で支払いをすることができます。
たとえば、iPhoneで利用できるApple Payでポストペイ(後払い型)を利用する場合は、標準搭載の「Wallet」アプリにクレジットカードを設定しましょう。
設定するカードによって、QUICPayまたはiDが自動で設定されます。
海外でも使えることがある
非接触型決済で採用されているNFCという近距離無線通信技術は、世界共通の規格であるため、海外でも使えることがあります。
残念ながら、日本で広く普及している各種電子マネーは、NFCのなかでもFeliCaと呼ばれる通信規格を採用していて、海外で普及しているNFCのType A/Bという規格とは互換性がありません。
しかし、一部の国際ブランドのカードや、国際ブランドのカードを設定したApple Pay・ Google Pay は、Type A/Bの規格にも対応しているため、海外でも利用することができます。非接触型決済では、お店の人にカードを渡す必要がなく、スキミング被害のリスクを抑えることができるので、安全性が高いです。
Apple Payについては、次の記事で海外利用をするときの具体的な設定方法・支払い方法を解説しているので、あわせてご覧ください。
導入に専用の端末が必要
非接触型決済をお店が導入するには、専用の端末の設置が必要です。この端末は、利用者が持っているスマートフォンやカードとの通信のために利用するものです。
そのため、非接触型決済の導入には、一定の初期費用がかかります。また、設定や導入テストなどの工程が必要な場合もあります。
コード決済の特徴

一方、コード決済にはどのような特徴があるのでしょうか。こちらも確認していきましょう。
スムーズに会計ができる
QRコードなどの提示・読み取りで支払いができるので、短時間で会計を済ませることができます。
また、コード決済アプリには、個人間送金機能が利用できるものもあります。そのため、友人との飲み会などで煩雑になりがちな割り勘作業も、コード決済アプリならスムーズに済ませられます。
導入費用が安い
コード決済は比較的安価でお店に導入できます。支払いに利用する端末はスマートフォンやタブレットで済むので、非接触型決済やカード決済のように、専用の端末を用意する必要はありません。その他にはインターネット環境があれば、利用可能になります。
支払いにはアプリの起動が必要
コード決済もスムーズに支払いが可能ではありますが、支払いにアプリの起動が必要なためやや時間がかかります。
コードを読み込んで決済するという仕組みなので、アプリの起動、コードの読み取り、決済の承認というように、支払い完了まで3つのステップを踏むことになります。
またプリペイド(前払い型)の場合は支払い前にチャージが必要なので、通信が不安定な環境では、時間を取られてしまうこともあるでしょう。
非接触型決済とコード決済は
どちらを使うべき?
非接触型決済とコード決済のどちらを使うかは、二者択一で考えるのではなく、それぞれの特徴にあわせて使い分けることをオススメします。
たとえば、交通機関や毎日のお買い物ではスピーディーに支払いができる非接触型決済を利用して、割り勘機能が必要なときにコード決済を使ったり、コード決済をメインに使いながら、スマートフォンの電池切れなどに備えて非接触型決済のICカードを予備として持っておいたり、自身の生活スタイルにあわせて利用するとよいでしょう。
もちろんどちらか片方だけを使うのでも問題ありません。前述したように、決済スピードやネットワーク通信環境に依存しないという点では、非接触型決済がオススメです。
非接触型決済やコード決済でキャッシュレス生活をはじめよう
非接触型決済とコード決済の違い、それぞれの特徴について説明してきました。前述したように、非接触型決済やコード決済はそれぞれ異なる利点を持っているので、上手に使い分けると生活がさらに便利になります。
非接触型決済に関心がある方は、次のご利用ガイドにQUICPayの設定手順がわかりやすく紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
- ※Apple Pay、iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc. の商標です。
- ※iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
- ※Apple Payを利用するにはiOS 12.5.2以降が必要です。
- Apple Payに対応しているデバイスについてはこちら
- ※ Google Pay は、 Google LLC の商標です。
- ※ Google Pay は、おサイフケータイ(R) アプリ(6.1.5以上)対応かつ Android 5.0以上のデバイスで利用できます。
- ※「おサイフケータイ」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
- ※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
- ※Suicaは、東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です。
- ※iDは、株式会社NTTドコモの商標です。
- ※nanacoは株式会社セブン・カードサービスの登録商標です。
- ※楽天Edyは、楽天Edy株式会社の商標または登録商標です。
- ※WAONは、イオン株式会社の商標または登録商標です。
- ※PASMOは、株式会社パスモの登録商標です。
- ※FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式で、ソニー株式会社の登録商標です。
- ※LINE Payは、LINE Pay株式会社の登録商標です。
- ※PayPayは、ヤフー株式会社の登録商標です。